京峰石だより(blog)
京峰石のチーズテリーヌが、ちょっと重たい理由。
「思ったより、重たいですね。」
そんな声を聞くたびに、少し嬉しくなります。
京峰石のチーズテリーヌは、確かに**“軽くて食べやすい”とは言えません。**
でも、それでいいのです。
なぜなら私たちは、ただのスイーツではなく、“小さな京都の宝石”をつくろうとしているからです。
■ “石”のように、静かで、強い
京峰石という名には、京都の峰から生まれた素材が、都の味として結晶するという意味を込めています。
「石」は、静かに、ずっとそこにあるもの。
触れると冷たく、でも中にぎゅっと何かが詰まっている。
まさに、私たちのチーズテリーヌが目指す姿です。
ふんわりとろける軽さではなく、ずっしりとした存在感。
まるで、小さな宝石を手のひらにのせたときのように──
一口に、ひとつの価値を込めたい。
■ “重たい”のは、味だけではない
私たちのテリーヌは、チーズ寄りです。
ケーキではなく、“チーズを主役に据えたスイーツ”。
だから、濃い。
だから、重い。
でも、それは味だけではなく、背景の重みでもあるのです。
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水尾の柚子が育った山里
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宇治で受け継がれてきた茶の文化
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京丹波の黒豆ときな粉が持つ土地の記憶
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焙じ茶が“残りもの”から“価値”へ変わった逆転の物語
私たちは、素材そのものに加えて、その背景に敬意を払い、重みとして閉じ込めています。
■ 一粒の“石”に込める、京都の美意識
宝石は、小さくても、存在感があります。
テリーヌもまた、ひと口でも満足感があるのは、味だけでなく物語が詰まっているから。
私たちは、軽やかな流行を追うのではなく、
記憶に残る味・形・名前を、静かに届けたい。
それが「京峰石」という名前に込めた、もう一つの意味です。
■ 最後に
京峰石のチーズテリーヌは、確かに重たいかもしれません。
でもその重みは、京都の風土・素材・時間・想いを背負ったもの。
だからこそ、一粒の“石”が放つ余韻は、長く、深く、心に残るのです。
贈り物としても、自分への静かなご褒美としても──
小さくても重みのある、京都の宝石を、ぜひひとつ。