京峰石だより(blog)

嵐山の「その先」へ。小倉山を越えると京都は別の顔になる。

嵐山の「その先」へ。小倉山を越えると京都は別の顔になる。

嵐山の「その先」へ。小倉山を越えると京都は別の顔になる。

誰もが知っている「京都・嵐山」。
その西側に、百人一首で名の知れた小倉山があります。ここをひとつ越えると、景色が急に変わる。
眼下に広がるのは保津川の渓谷(場所や区間によっては大堰川/桂川とも呼ばれるあの流れ)。個人的には、この谷のスケール感が好きです。

京都中心部のしっとりとした風情から一転、
大原の山間とも違う、鞍馬・貴船をもう一段ワイルドにしたような表情(あくまで個人的な所感です)。
同じ「京都」でも、ここは空気の密度が違う。


無人の駅、吊り橋、舟。そして、ときどき猿。

小倉山を下り、川沿いを歩いていくとトロッコ保津峡駅に着きます。
無人駅で、トロッコ列車は一日に数本。出入りは自由。
駅の横には吊り橋がかかり、谷をまたいで風が抜けます。下をのぞけば、保津川下りの舟がゆっくりと流れていく。
運が良いと、猿の群れに出会うことも(モンキーパークの住民かどうかは不明。近づくとすっと離れていきます)。

ここでただのんびりするだけで、気持ちがほどけていく。
有名観光地のすぐ隣に、こんな“静けさ”が残っているのが面白いところ。


映画の記憶がよみがえる場所

この駅、映画『蒲田行進曲』のロケ地として使われた記憶があります(もし記憶違いならご容赦を)。
山の縁に張り付くようなホーム、そこへ渡る
吊り橋

“あの嵐山の次の駅がこれか”というギャップに、京都の奥行きを感じます。


余談:川の呼び名について

この谷では保津川、嵐山界隈では大堰川、さらに下流域では桂川と、流れは同じでも呼び名が変わる
地元では当たり前のこの“呼び名の重なり”も、京都らしい面白さのひとつ。


最後に、小さな注意

渓谷歩きは足元に注意。吊り橋は風が強い日もあるので無理は禁物。
野生動物とは距離を取る。そして、もちろんゴミは持ち帰る
それだけ守れば、この“別の京都”は静かに受け入れてくれます。


※この記事は、筆者の体験と所感にもとづく個人の散策メモです。行程や運行本数などの最新情報は各公式サイトをご確認ください。



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